2018年10月からクリエイターと読者をつなぐサイト「cakes」で連載が始まり、2019年1月に書籍化したはあちゅうさんの「仮想人生」
この物語の主な舞台は、知る人ぞ知るTwitterの裏アカウント。
発売されるとすぐに「世界観に引き込まれる」「止まらなくなった」と話題に。
さっき買ったばかりだけど、引き込まれるように読み続けてもう終わってしまった…#はあちゅう#仮想人生 pic.twitter.com/7UOCy7rMLQ
— あやか (@A418s) 2019年1月12日
はあちゅうさんの『仮想人生』読み出したら止まらない。
読み出したら止まらない本とか、そうそう出会えない。
うれしい。久々だ。#はあちゅう#仮想人生— ふゆ (@12gjOAmtqTX2rE9) 2019年1月9日
今回はそんな「仮想人生」のあらすじや魅力をお伝えします。
Twitterの裏アカウントの世界。
自分の知らない世界を覗いている感じて、どんどん引き込まれました…!
あと途中の「時間も季節も全部が抜け落ちている」っていう表現が好き。https://t.co/lhttC9gp2B#iPad芸人 #本レコ pic.twitter.com/9OCakdfH4g
— みさき / 広め人 (@misaki2018jp) 2019年1月13日
もくじ
「仮想人生」の舞台はTwitterの裏アカウント
まずあらすじをざっと紹介。
大人なんだから自分の寂しさくらい自分で処理しなきゃいけない。だから、結婚3年目・33歳のユカは、夫の帰りを待つだけの夜に耐え切れず、ツイッターで裏アカウント「人妻の美香」を生み出した。自堕落な世界をただ見学するつもりだったのに……。
はあちゅうにしか描けない、SNSで行きかう人間の欲と愚かさとやさしさの物語。(cakesより引用)
多くの人がアカウントを持っているSNSのTwitter。
しかし多くの人が、友達とのコミュニケーションツール、もしくは発信目的に使っているのではないかと思います。
しかし、主婦のユカが新しく作った理由は夫のいない時間の寂しさを埋めるため。
Twitterにはナンパ師をはじめ、表の世界では出会わないであろう人たちの裏の世界があったんです。
とはいえユカには夫の恭平がいるし、誰かと実際に会うつもりはなく、一瞬の寂しさを埋めるためのただのツール。それなのに…。
主婦、ナンパ師、大学生、アラフォーのOL、それぞれの裏の顔
主な登場人物は5人。章ごとにそれぞれの視点で描かれています。
- ユカ(人妻の美香) 「結婚4年目、セックスレス人妻。DM解放してます。」
寂しさも処理出来ない女にはなりたくないし、寂しさってたぶん、暇だから生まれるのだ。#仮想人生
— 人妻の美香 (@qW8FVDDHxcRu2SB) 2019年1月12日
- 鉄平(圭太) 「ストナン/ネトナン/ティンダー/ナンパ/主戦場は獅子と犬/ナンパ師の方、絡んでください!」
セックスをした日の朝は、なぜか世の中の解像度が高くなる気がするんだよね。
— 圭太 (@4EzeVe7Xy6JxPkL) 2019年1月13日
- 工藤直人(ナオ)「大学生です。もしよければフォローしてください。」
結局出かけようと思ったけど、怠くて辞めた。
大学の休みが終わるまでこんな生活かな。
846はどうしてるんだろう。電話でもしようかな。— ナオ (@Fe3fqLA0kG5sBTX) 2019年1月2日
- 裕二(暇な医大生)「面白きこともなき世を面白く。精神科希望。」
本当に伝えたいことが相手に伝わる瞬間は、それを告げた瞬間だとは限らないと思うんだよね。もしかしたらその瞬間に伝わるかもしれないし、一カ月後かもしれないし、一年後かもしれないし、もしかしたら伝わらないかもしれない。でもいつかちゃんと伝わってほしいから、今伝えるんだよ。
— 暇な医大生 (@u7T7CHstWtnl36q) 2019年1月3日
- 愛(ねね@童貞ハントFカップ)「アラフォーのドMです。都内在住。童貞さん、学生さんウェルカム。DM 、リプ、気まぐれだけどちゃんと返します。」
ティンダーで出会った素人童貞の23歳美容師。私は素人枠に入ってもいいんだろうか……(汗)?
ちょっといじり方が乱暴で、左乳首がじんじん痛いけど、髪の毛を洗ってくれたのは最高。プロ技#仮想人生— ねね@童貞ハントFカップ (@pnDSa2xRL1fC1KZ) 2019年1月12日
実際のTwitterにそれぞれのアカウントが出現しています…!
ザオラル、即、スト、バンゲ。「仮想人生」に学ぶナンパ用語
これらの用語の意味、わかりますか?
ザオラルは男性がしばらく連絡を取っていなかった女性に連絡すること。即は即セックス、ストはストリートナンパなど。
こんないわゆるナンパ用語と呼ばれる言葉がたくさん出てきて、初耳の言葉もたくさんありました。
ネットの裏世界のことやネット用語とも言える言葉を本の中で知るというのも、なかなか面白いですよね。
今挙げた以外にも出てくるので、ぜひ読んで確認してみてください。
はあちゅうさんだからこそ書ける「仮想人生」の物語
普段から著者であるはあちゅうさんのSNSをみているというのもあり、はあちゅうさんだからこそ書けるのだろうなという場面がいくつかありました。
そもそもSNSが仕事にもなっているはあちゅうさんだから、この「Twitterの裏アカウント」が題材になったのだと思います。
あとは鉄平主観のこのシーン。
いつもバッグの中に入れているガラス製の爪やすりは、少し、高かったけど、尊敬するAV男優の愛用品だというので奮発した。
読んだ瞬間、しみけんさんしか思い浮かばなかった(笑)
(事実確認はしてないけど…!)
他にもちょこっとテレビ出演の部分があって、そこもご自身の体験も入っているのかなと思いました。
はあちゅうさんのスッと入ってきて読者を掴む言葉選び
私ははあちゅうさんの小説やエッセイで使われる言葉がすごく好きなんです。
例えば今作も冒頭の、
寂しさは刺すように一瞬なのに、
このたった十数文字で引き込まれたような気がします。
「22時の寂しさ」
「好きという言葉には魔力がある」
など、この自分にもどこか引っかかって印象に残る感じ。
ぜひあなたも「仮想人生」を読んでTwitterの裏側を覗いてみてはいかが?
ではでは、みさきでした。

