【イベントレポ】好きを突き詰めた古物と写真の特別展「信念」

イベントレポ
スポンサーのななえもん様!

10月半ばに渋谷で3日間行われた古物・古着・写真の特別展「信念」。

みなさんのツイートでわかるように、一瞬で引き込まれて五感で楽しめる展示会でした。

わたしもトークショーが行われた2日目に足を運ばせていただいたので、その熱量と雰囲気を、写真と共におすそ分けします。

主催メンバー

(写真左から)

  • 菅澤 明男(古物愛好家・Gate-1店長/古着・古物展示)
  • 小宮 京(写真作家/写真展示)
  • 滝澤 咲子 (モデル/モデル、アロマ&ドリンクプロデュース)

詳しいプロフィールは前回の記事に

3人で作り上げた大パネルの写真

今回の展示のメインの1つ、写真作家である小宮さんの写真。

モデルはもちろん、菅澤さんと滝澤さん。後のトークショーでも言っていましたが、この展示をやる前から撮影は決まっていたとのこと。

モデル、衣装、ロケーション、そして写真。全てが最高の掛け算となって出来上がった渾身の作品。

全て私物!100を超える古物&古着

まるでお店、あるいは博物館と聞いても違和感を感じないほど綺麗にディスプレイされた古物は全て菅澤さんの私物。

もちろんこれはほんの一部にすぎません。

これはいつのものなんだろう?どのように使われたんだろう?と、古物が特別好きではなくとも、ずっと見ていられるような空間でした。

もう1度言いますが、これは全て1人の私物です。家はどうなっているんだろうか…。

天井まで創りこむ空間装飾

会場に入った瞬間に心を掴んで離さないような空間装飾を作り上げたのは、「弥々-iyoiyo-」として個人活動されている、三宅隆弥さん。

三宅さんはエステサロンや飲食店の内装、ギャラリーの展示装飾など、デザインから施工までを一貫する「デザイナー兼職人」というスタイルで、過去に600以上もの案件に関わり空間を作り続けてきた方。

3日間でなくなってしまうのが儚いような、どこを見ても隙のない空間。

モデル滝澤さんプロデュースのドリンク

カフェ勤務経験のある滝澤さんが、ドリンクをプロデュース。

この日限定で用意されたのは、ハーブ•スパイスを煮詰めたオリジナルジンジャーシロップの森のジンジャーエール。

もうひとつはカカオ、アマレット、シナモンを使用したアマレットラテの2種類。(写真はアマレットラテ)

味はもちろん香りも楽しめるドリンクでした。

この日限りで行われた、スペシャルなトークショーで乾杯。

そのトークショーの様子をお届けします。3人の信念に込める思いが伝わりますように。

自己紹介と三人の出会いからスタート

菅澤:自分は大学卒業後グローバルワークに入社し、退職して元町中華街の古着屋勤務を経て下北沢のGATE-1で働き始めました。去年「FUKUNOWA」というイベントを個人で行なって、今回は2回目のイベント開催になります。

滝澤:広告やニトリなどのCMでモデルをしています。最初はSNSに自撮りを載せているだけだったのですが、小宮さんが声をかけてくれて初めて撮影をしてもらいました。

小宮:わたしの本業は社会福祉士です。写真を始めたのは社会人になってからです。滝澤さんは知人に教えてもらって知って、”魅力ある人に違いない”と確信して撮らせてもらいました。

菅澤:俺が初めて滝澤さんに会ったとき、登場の仕方が衝撃だったんだよね。

滝澤:Twitterで面白い人がいる!と菅澤さんのことを知ったんです。それでGATE1に行けば会える!と思って会いにいきました。

菅澤:そしたら店にチャリに乗ったままで「よっ」って言って登場したからね、初対面なのに(笑)びっくりした。

滝澤:テンションが上がっちゃって(笑)そのあと小宮さんにすぐに紹介しました。

”服や古いものに対してこういうものがあると提案したい”というのがコンセプト

小宮:今回は、”服や古いものに対してこういうものがあると提案したい”というのがコンセプトです。大抵の人はこの写真の服を衣裳だと思うかもしれないけど、彼(菅澤)の私服なんです。

菅澤:周りの視線を気にしてしまっていました。だけどやっぱり自分の主張がしたくて,

ちょっとずつ発信を始めました。

小宮:彼はマイノリティかもしれないけど、新しいものを消費する社会ではなかったらと考えて撮ることにしました。そうなると撮影をするときにもう一人モデルが欲しいとなって、滝澤さんにお願いしました。

滝澤:普段なかなか着ない重い古着を、自分のものにしなきゃいけないので難しかったです。試着して下北を歩いたりもしました。

(撮影で着用した服が展示されており、菅澤さんから説明がありました。)

菅澤さん着用衣装

アフリカの民族がシルクを手織りで作ったストール。

1940年代のオーストリアの民族用の袖がなくて肩に乗せるだけのポンチョ。

1930年くらいに使われていた、ハンティング用のジャケットの中に着ていたコーデュロイのベスト。

1940年フランスの民間用のシャツ。

空気の抵抗をなくす象の耳のようなポケットつきで馬乗りが履くジョッパーズパンツ。

滝澤さん着用衣装

アトリエコートというフランスの民間のワーク用の服で、1940年代インディゴを30回以上の染め粉み。

中のグランパシャツとエプロンも当時のもの。

リネンのエプロンに80年前くらいのパンツフランス。

膝の部分を江戸時代の布で自分でリペアした特別な1着

「信念」というタイトルは3人でこれだと決めた

小宮:彼のように芯がないと、これほど古物を好きになれないですよね。展示をやるにしても、ただ写真や古着を展示したらいいのかと言ったらそうではなくて、空間を作って伝えることだと思います。

滝澤さんは五感が鋭いので、香りやドリンクのこだわりがすごいです。

滝澤:好きがあるから頑固になっちゃうんですよね。

今回出したドリンクは香りもつけたいと思って、森のジンジャーエールはハーブやスパイスを使っています。

アマレットラテはカカオをやシナモンスティックを入れています。飲んでいるうちにシナモンの香りが出てきて、変化していくのが楽しめるようにこだわりました。

菅澤:空間装飾は三宅隆弥さんにお願いしました。

森と言っていたのですが、集めていたイメージ写真がいつの間にか廃墟の写真ばかりになっていました(笑)

三宅さんが廃墟感をあえてリアルじゃなく、ダンボールでギリギリまで作業して表現してくださりました。

菅澤:突然ですが、これなんだと思いますか?

菅澤:これは僕の私物なのですが、「なんでもないもの」なんです。この答えはなかなか出ない。西荻窪の古道具が売っているお店で、創作物として販売されていました。

古物ではなく創作物なのですが、4面のうちどれが好きか1時間くらいひたすら触ったりしました。

小宮:古ければいいわけではなく、質感など実際に見て選んでいるのがわかりますよね。

菅澤:ではこれ、いくらだったら買いますか?

僕はこれを9800円で買いました。なんでもないものですが、それくらい価値があると思いました。高くもなく安くもなく、それでいいと思ったんです。

これを初めて見たときは買わなかったのですが、どうしても頭にこびりついて、どうしてもほしくてやっぱり買いに行きました。古道具を集めて1年経って感じた、初めての感覚。

みんなにこの「なんでもないもの」について聞いてるけど、みんなの解釈の仕方が違くてすごく面白い。

みんなもっと素直に貪欲になって突き詰めてほしい。その結果、好きなものなら、自分はなんでもないものが9800円でも価値があると思ったんです。

滝澤:私もなんでもないカフェの絵がすごい気になって買ったことある!

小宮:でももし、そんなの好きなの?とか言われたらどうする?

滝澤:おもしろくない?って(笑)

菅澤:自分の感情を消したら自分に嘘をついてることになるからね。

小宮:たとえばインスタでおしゃれな写真がたくさんあるけど、それに比べて私の写真は暗いです。

そのようなキラキラしたシャボン玉やかわいい猫を撮ったこともあったけど、やっぱり違うと気づきました。つくられたものより、自然な人の姿を撮りたいと改めて気づきました。

3人それぞれの、これからについて

小宮:わたしは今回が初の展示会でした。普通は初回でこんな大きなサイズでやらないかもしれませんが、それでもやってよかったと思えました。

これからも、どういう出し方がいいかとかにとらわれずにやっていきたいです。

滝澤:モデルとしてどうなりたいというより、ありのままの自分で好きなことをしていきたいです。

どう変わっていくとかなくて、経験が繋がって新しいことができていけたらいいなと思います。

興味があることはどんどんトライしていくので、そのときを楽しんで生きていくスタイルはこれからも変わらないですね。

菅澤古いものの良さを人に伝えていきたいです。

今はどう表現していくか、伝えていくかを模索している状態。

古いものの魅力を伝えることで、新しい価値観を生み出せるのではないかと思います。1020代で古いものが好きな人はいないから、そこを変えたい。

好きを分解してどうしたら伝えているかを考えていきます。みんなも情報が溢れていく中で好きをつけ詰めてほしいです。

これにてトークイベントは終了。

イベント終了の時間までたくさんの人が残っていてこの日は終わりました。


あなたの好きなことは何ですか?

最近はよく、「好きなことを仕事にしたい」というようなことを聞きます。だけど、好きなことがわからないという人も多いと思います。

わたしも改めて、好きなことを見つける、突き詰めることってすぐにできることではないなと思いました。

でも自分と向き合って貪欲に突き詰めた結果、その人にしかできないことができてくるんですよね。

今回この展示会を主催した3人は自分の好きを突き詰めたからこそ、こんなに人を魅了する展示会ができたのではないかと感じました。

この特別展ができるまでの様子が「信念」のTwitterアカウントでご覧いただけるのでぜひチェックしてみてください。

1月26日「ひとのわ」開催決定

今回古物を展示した菅澤さんが、2019年1月26日に下北沢「440(フォーフォーティー)」にて、新旧問わず 本気で服と向き合い愛する人達と服の展示も合わせた販売会を行います。

詳細はまた追って発表しますが、服が好きな人はぜひこの日を空けといていただければと思います。

ではでは、みさきでした。